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社情の日常」カテゴリーアーカイブ

新年度がスタートしました(4月3日)

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
在学生のみなさん、進級おめでとうございます。

新型コロナウイルス感染症はまだ収まっていませんが、文学部では演習や語学などを中心に、約半数の授業を対面で実施できるよう、準備を進めています。社会情報学専攻でも3・4年次のゼミ、1・2年次の基礎演習などを教室で実施する予定です。

大学はもちろん、私たち教員、そして学生のみなさん一人ひとりがしっかり感染対策し、大学でともに学びましょう。

中央大学多摩キャンパス桜の広場2021年4月2日撮影

「著者がとく」

 今朝(2021年3月31日)の『朝日新聞』朝刊に「(明日へのLesson)特別編:著者がとく 松田美佐さん 「うわさとは何か」×中央大学入試」が掲載されています。 どうぞご覧ください。
 入試問題を解くということで、自分が学生だった頃(高校生まで本当に文章を書くことは苦手でした!)からうわさに関心をもった経緯など、普段の取材では尋ねられないことを聞かれ、面白かったです。

「若者の生活と文化に関する調査」結果概要がまとまりました

昨年11月、東京都杉並区と愛媛県松山市在住の20歳の若者を対象とする郵送質問紙調査を実施中であることをお知らせしましたが、この度、結果がまとまり、ご回答いただいたみなさまへ結果概要をお送りしました。
 
この調査は、2005年、2009年、2015年とほぼ5年おきにおこなってきたもので、今回2020年の結果だけでなく、この間の変化を検討することができる点でも興味深い研究だと考えております。本格的な分析はこれからになりますが、まずは、結果の概要をご覧ください。
 結果はこちら
 

なお、ウェブ上で読むことのできる関連論文は下記です。

辻泉・大倉韻・野村勇人,2016,「若者文化20年の『計量的モノグラフ』:『遠隔=社会、対人性、個人性』三領域の視点から」『文学部紀要 社会学・社会情報学』26,43-79.

松田美佐,2016,「若者の海外志向を規定するのは何か:大学生調査の分析より」『文学部紀要 社会学・社会情報学』26,11-41.

NHKクローズアップ現代+『フェイクバスターズ』

あけましておめでとうございます。2020年はコロナ禍で大変な1年でした。早くこの災禍が収束して、2021年は良い年になることを願っています。

先日、12月18日(金)放送の、NHKクローズアップ現代+『フェイクバスターズ』に出演の機会をいただき、社会心理学の観点から「フェイクニュース」についてのコメントをさせていただきました。人前に出るのはあまり得意ではないので、慣れないところで緊張して固まってしまいました(笑)。MCや他の皆様、そして編集くださった方々のおかげで、うまくまとめていただきましたことを感謝しております。どうもありがとうございました。

収録でうまく伝えられなかったことを、ここに記しておきます。

あの回のテーマは、虚偽情報がどのように拡散するのか、ということではなく、「なぜ信じてしまう(ときがある)のか」ということでした。そこで私が一番伝えたかったのは、「私たちはみんな騙されやすい」ということです。

私たちは、「見たいものだけ見てしまう」という認知的バイアス(確証バイアス)を持っています。また、「自分を価値ある存在だと思いたい(自尊感情維持の動機)」「知識がない時、関心がない時、あるいは十分な時間や注意を割けない時は、メッセージの内容そのものではなく、相手の見た目や肩書、話し方などの周辺的な情報で判断してしまう(精緻化見込みモデル)」という傾向があることもわかっています。また、虚偽の内容でも、ネット上にたくさん存在していることで、それが一種の「社会的証明」となって、真実であるかのように見えてしまう可能性もあります。しかもいったん態度を決定あるいは表明してしまうと、私たちは自分の中での一貫性にもとらわれてしまいがちです(認知的一貫性とコミットメント)。

こうしたバイアスは、人間がもともと持っているもので、インターネットが原因というわけではありません。ですから、マスメディアは良いが、インターネットが悪いのだ、というわけではないのです。そもそもメディアが介在しなくても起きることとも言えます。自分がもともと持っていた信念に沿った話である、自分の自尊感情をくすぐる、友好的で居場所を提供してくれる、専門家を名乗ってなんだか自信満々に話している、多くの人がそう言っている、そのようなとき、私たちは簡単に騙されてしまいます。(こうしたバイアスに私たちがいかに弱いか、については、チャルディーニ著・社会行動研究会訳『影響力の武器 第三版』誠信書房,2019をぜひご一読ください。)

ただし、インターネットやソーシャルメディアによる情報環境は、この傾向を強めやすいと考えられます。これまで様々な研究者が指摘してきたように、インターネット、とくにソーシャルメディアは、「自分と似た人とのつながりと、そうした人の意見への接触(エコーチェンバー)」「自分の属性や閲覧履歴などの情報を用いた、アルゴリズムによる自動的な情報提示(フィルターバブル)」などによって自分の信念を強化し、「自分とは異なる多様な人々」を、より異質で「誤った」ものとして見せてしまう可能性があるからです。

さらに注意しなくてはならないのは、私たちが日頃感じている不満や不信を利用しようとする人たちもいるということでしょう。デマや誤報は昔からあるとはいえ、現代の虚偽情報は、意図的に流す人々が存在する(また、そうした行為を行いやすい)というところが怖いように思っています。政治家や既存の権威に私たちが疑問を持つのは、民主主義社会において必要なことでもあります。問題は、それを利用しようとする人たちもいるということです。

私たちはみんな騙されやすい。人間は、様々な動機的・認知的バイアスから自由ではない。私たちが虚偽情報に惑わされないためには、そうした事実を認識したうえで、常に知識をアップデートしていくしかないと考えています。

「若者の生活と文化に関する調査(回答期限:2020年11月24日(火)まで)」実施中です。

文学部の「ニュース」でも下記のようにご案内しましたように、質問紙調査を実施しています。
調査票が届いたみなさま、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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松田美佐・辻泉が、 東京学芸大学 浅野智彦教授と共同で 、東京都杉並区・愛媛県松山市在住のみなさまを対象に、「若者の生活と文化に関する調査」を実施中です。  
調査の目的は、20歳の若者を対象にその文化の実態を把握することであり、調査対象の方々は、杉並区・松山市の選挙人名簿を元に、層化2段無作為抽出法というくじ引きのような方法で選ばせていただきました。
回答期限は、2020年11月24日(火)までですので、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。
ご不明な点等ございましたら、調査票発送時に同封させていただきました依頼状に記載の連絡先まで、お知らせいただければ幸いです。

1年生ガイダンス

本日は健康診断に合わせ、専攻の1年生ガイダンスをおこないました。
登校できない方もいるため、全員揃っての新入生の顔合わせとはなりませんでしたが、後期もオンライン授業が中心となる中、短い時間ではあっても、対面することができ、よい時間となりました。
早く状況が落ち着いて、全員揃って顔合わせができますように。

「卒業生からのメッセージ」など

9月を迎え、今朝の東京は少し涼しくなりました。
さて、いくつか、お知らせです。

1.「卒業生からのメッセージ」に2020年3月に卒業した先輩から声を寄せてもらいました。広告会社で働き始めた方と大学院進学された方です。スクロールが大変かもしれませんが、ぜひご覧ください。

2.少し前から公開していますが、「オンライン授業で良かったこと、困ったこと」に在学生にコメントを寄せてもらいました。後期、社会情報学専攻では、いくつかはキャンパスでの集合型の授業となりますが、ほとんどはオンライン授業が継続します。お互いによくコミュニケーションをとり、よりよい授業にと考えています。
 
3.個人的な宣伝になりますが、『看護教育』2020年9月号に、「焦点 [インタビュー]医療系学生は情報とどのようにつき合えばよいか 松田美佐先生に聞く」が掲載されました。6月に受けたインタビューの記事です。書店などでご覧ください。

『母の友』9月号

『母の友』9月号、特集「不安とむきあう」に 寄稿しました。

見開きの前ページが深呼吸や筋弛緩法のイラストで、とってもいいなぁ、と。
書店でご覧ください。「ネットのうわさとのつきあいかた」『母の友』2020年9月号 

緊急企画展「新型コロナと情報とわたしたち」

横浜にあるニュースパーク(日本新聞博物館)では
2020年7月18日(土)~9月27日(日) に、緊急企画展「新型コロナと情報とわたしたち」を開催します。私(松田)もコメントを寄せました。


予約制になっておりますので、事前に確認・予約の上、いらしてください。

文学部特別公開講座

7月11日(土)に文学部特別公開講座が開催されます。
今年はオンライン開催のため、先日、専攻紹介と模擬授業を撮影してきました。
模擬授業タイトルは 「インフォデミックとつき合うには :ネットで広がるうわさ・フェイクニュースを考える 」です。
詳細はこちら。どうぞ、ご覧ください。

現在はこちらから。(7/13追記)