10月8日、9日に愛知淑徳大学星が丘キャンパスで開催された、第71回日本図書館情報学会研究大会で共同研究した成果をポスター発表しました。タイトルは、「生成AIによる情報サービス演習問題に対する回答の評価」です。共同発表者は、角田裕之先生(鶴見大学)、原田智子先生(鶴見大学)、江草由佳先生(国立教育政策研究所)です。
この研究では、今、話題となっている生成AI(対話型AI)が果たして図書館職員に代わって、利用者からの質問に回答できるかを調査しました。具体的には、私も共著者として名前を連ねている『三訂情報サービス演習』(樹村房)に掲載されている演習問題をChatGPT、Bing AI Chat、Perplexity AI Chatの3つの生成AIに入力し、その回答が適切かどうかを判定しました。その結果、例えば観光情報に関する質問には適切に回答できた一方、ある趣味に関する本を3冊推薦してほしいという問いに対しては、この世に存在しない本を回答するなど、誤った情報を提示する場面もありました。このことだけで、生成AIの性能を判断するのは性急ですが、私たち利用者にも相応のリテラシーが求められること、そこに図書館員(司書)の知識や技術、経験が生かされるのではないかと考えます。併せて、生成AIはなにかを知ることで、仕事や学習、研究にも生かせるでしょう。今後の展開が楽しみです。