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ゼミ紹介

2023年度の社会情報学専攻の各ゼミ(社会情報学演習:3、4年次)の内容を紹介します。

目次:


情報コミュニケーションコース


辻ゼミ (辻 泉)

○テーマ:「ポピュラー文化とメディア」

ゼミ紹介写真1(ゼミ風景)
ゼミ紹介写真1(ゼミ風景)

 辻ゼミは、文化とメディアをこよなく愛する精鋭たちの集うゼミです。人一倍、何か好きなものがある、メディ
アについて関心がある、そういった学生たちが、日常生活で、身近に楽しんでいるもの、接しているものを、あえて振り返って研究対象にして掘り下げていく、そんなゼミです。ですから対象は、アイドルでもアニメでもゲームでも、あるいはスマホでもSNSでも、なんでも構いません。
 そして、ポピュラー文化とはとても楽しいものです。ですが、それを楽しんで終わらせてしまうのではなく、その背景に存在する若者の自己やコミュニケーションの問題であったり、グローバル化といった社会変化と関連付けて理解することが重要でしょう。あるいはメディアという存在も、つい身近にありすぎて、あたかも空気の如くに感じてしまいがちですが、その功罪について、深く掘り下げて理解する必要があるでしょう。
 このように、我々にとって身近で楽しい文化やメディアについて、それを大真面目な研究対象ととらえられる方々と一緒に、その実態を考えていきたいと思います。関心のある学生諸君をお待ちしています!

○活動予定内容:

ゼミ紹介写真2(ゼミ板書)
ゼミ紹介写真2(ゼミ板書)

 卒業研究論文・卒業論文に向けた各自のオリジナル研究報告と、文化社会学やメディア論に関する文献の購読を
行います。文献購読は、要約者とコメンテーターを分担し、いくつかの論点についてゼミでディスカッションしま
す。文献の例として、高野・飯田・加島編『現代文化への社会学』(北樹出版)、宮台監修、辻・岡部・伊藤編『オタク的想像力のリミット』(筑摩書房)、宮台・辻・岡井編『男らしさの快楽』(勁草書房)、馬場・池田編『「女子」の時代!』(青弓社)、土橋・南田・辻編『デジタルメディアの社会学』(北樹出版)などが挙げられます。年度末にはゼミ論文集を刊行しており、それ以外にも、夏には合宿やBBQ、季節ごとにもコンパを行って親睦を深めています。また3年生は、毎年恒例の個別進路面談を行っています。
 ゼミ生たちの仲がいいのも特徴的で、卒業してからも時々ゼミに先輩たちが遊びに来てくれることがあります。新聞社や出版社といったメディア業界だけでなく、広告、不動産、銀行、流通、あるいは公務員といった様々な職場で活躍中の先輩たちは、いわゆるOBOG訪問の時だけでなく、これからの社会で活躍する学生諸君にとっても心強い存在といえるでしょう。

○卒論・卒業研究論文:

 本ゼミでは卒業研究論文の分量について、2万字以上を原則とします。また卒業論文に果敢に挑む、ヤル気のある学生も歓迎します。

○卒業後の進路:

 本ゼミ卒業生の進路はさまざまです。
参考までに、このホームページの「進路・資格」の中の「卒業生から」コーナーに登場している、長島利恵さん、荒川美都さん、山口恭平さん、南波英理さんは本ゼミの卒業生です。また、「大学院」の中の「卒業生の声」コーナーに登場している、タイからの留学生パーワン・カーンソンジャイさんは、大学院博士前期課程(辻ゼミ)の修了生です。
ゼミ紹介写真3(2017年度追いコン)

よかったら、そちらも読んでみてください。

○その他:

 ときどきゼミの様子を、ツイッター(@izumi2z)でもつぶやいています。
ハッシュタグ「#中大辻泉ゼミ」でも検索してみてください。


松田ゼミ (松田 美佐)

2019年 夏合宿
松田ゼミ2
アイデア出し中の三年生

○ゼミ内容:

現代社会のありかたをメディアやコミュニケーションを軸として探ることを、本ゼミは目的としています。身近な人間関係や趣味・興味関心はもちろん、広く社会問題や社会の仕組みに関することなど、研究テーマは何でも構いません。自分が興味を持つことを、ゼミのメンバーと一緒に学問的に考えていきます。大学で身につけるべきは、自分で問いを見つけ、答えを出す力です。メディアやコミュニケーションという身近な軸を使いながら現代社会を研究対象とすることで、その力を楽しく身につけましょう。

そのために、ゼミでは研究手法や調査手法をもう一度復習し、メンバーで議論して研究テーマを掘り下げることで、卒業論文もしくは卒業課題研究を大学4年間の集大成として執筆する準備をします。

2年間の大学生活を経て、研究テーマがなんとなく見えてきた人もそうでない人もいるかと思います。どちらにも対応しますが、後者だという人はゼミが始まるまでに集中的に探しましょう。アイデアは探さないと見つかりません!とはいえ、自分の日常生活の中で探すことができるのが、社会情報学のよいところです。

 なお、メディア関連の社会の変化にはそろそろついて行けなくなってきた教員に、いろんなことを教えてくれることも期待しています。教員ともゼミのほかのメンバーとも一緒に学び、教え合い、悩み、考えていきましょう。

○活動予定:

 各人が研究テーマを発見したり、深化させたりするために、メディアやコミュニケーションと現代社会に関する文献講読をしつつ、調査研究のための方法論(アンケート、インタビュー、観察、ドキュメント分析など)を復習します。また、それぞれの論文執筆に向けた研究報告(4年は卒業論文・卒業課題研究、3年はゼミ論)を並行して行います。

 3.4年とも個人面談をゼミ時間外におこなうほか、ゼミコンパや夏合宿をおこなう予定です(状況次第ですが)。

 学年末には、3年生はゼミ論(10,000字以上)、4年生は卒業論文(卒業課題研究)の要約をゼミ論集としてまとめ刊行します。

○卒論・卒業研究論文:

本ゼミでは卒業論文執筆を強く推奨します。卒業論文を執筆しない学生の卒業課題研究は20,000字以上を原則とします。

その他:

『宣伝会議』2020年4月号 の「メディア研究室訪問」 で紹介されました。

二年間のゼミを通じての目標は、いま、そしてこれからの社会を考えるための学問的な考え方や知識を身につけることであり、ゼミ論や卒業研究論文、卒業論文の執筆を通じて、卒業後も自分なりに「社会をとらえる」ことができるようになることです。そして、楽しい仲間と出会うこと、かな?


細貝ゼミ (細貝 亮)

 本ゼミでは、社会現象や人間行動を実証的に記述・説明する方法を学び、それをもとに論文を執筆することを目的とします。研究テーマは、メディアやコミュニケーション、社会意識に関するものとします。分析手法としては、アンケート分析、内容分析(テキスト分析)、インタビュー分析など想定しています。データの特徴を理解し、適切な手法を用いて、社会現象を分析する力を養います。

 講義は、①文献輪読、②グループワークによるデータ分析とプレゼン、③個人研究の発表と論文執筆、を組み合わせて実施する予定です。ゼミ生の興味によって内容や進行は変わってきます。分析手法は補講などで適宜サポートしますが、数量データを扱うのであれば、クロス表、相関、回帰、仮説検定を習得しているとスムーズです。手法については他講義で受講済み、あるいはゼミと並行して受講することをお勧めします。

ゼミは、教員からのアドバイス以上に、ゼミ生同士から得られる知的刺激が重要です。ゼミ生が互いに学び合いながら研究を進められることが、ゼミの最大の意義であることを理解し、意欲的に講義に臨む学生を歓迎します。

                                           


安野ゼミ (安野 智子)

○テーマ:「社会調査で人間の行動を探る」

安野ゼミ2014
安野ゼミ2014

 このゼミでは、人間の判断や行動を、「データに基づいて」実証的に解き明かしていくことを目標としていま
す。担当教員の専門分野は、世論・世論調査・社会心理学ですが、研究テーマは個人の自由です。過去の卒論の
テーマは、友人関係、消費者行動、趣味(音楽、ゲームなど)、スポーツ(スポーツファン、箱根駅伝)、SNS、就活、結婚、食生活など、多岐にわたります。
 たとえば、ソーシャルメディアにはまる人とそれほどでもない人はどう違うのでしょうか?それはなぜでしょうか?ソーシャルメディアで孤独感は和らぐのでしょうか?それとも他人と比較して落ち込んでしまうのでしょうか?こうした疑問を、実際に調査を行い、データ分析の結果をもとに考えていきます。テーマによっては、(公開されているデータの)二次分析、簡単な実験、インタビューによる卒論も推奨しています。
 調査票を設計し、たくさんの人の意見を聞けるのは楽しいことです。統計分析は、最初は少し大変かもしれませんが、根気強く取り組めば、とても強力な道具にもなります。社会調査や質問紙の設計、統計分析などのスキルを身に着ければ、マーケティングやマスコミ・公共の調査などを始め、社会でもさまざまな場面で活用できます。(ただし慣れるまで、少々忍耐と努力は必要です。)いわゆるアンケート調査をしなくても、購買データや人口統計など、データ分析の対象は幅広いのも魅力です。それ以上に、自分の疑問がデータで解き明かされたと
きのうれしさは格別です。ぜひ一緒に味わいましょう!

○活動予定内容:

 前期の授業では文献を購読し、ディスカッションを行います。2020 年度はホフステードらによる『多文化世界(第 3 版)』(有斐閣)を読みました。各自の研究は、個別相談を中心に進めます。例年、夏休みにはゼミ合宿を実施し、親睦を深めています。(残念ながら、2020 年度は実施できませんでした。)夏休み明けから10月にかけて、学生調査あるいはウェブ調査を実施し、11 月~12 月はそのデータを分析していきます。ソフトウェアの使い方、分析結果の読み取りなどは随時補習などでサポートしていきます。

○卒論・卒業研究論文:

 本ゼミでは、卒業論文は2 万字以上、卒業研究論文は1 万字以上の分量を条件とします。卒業論文は必修ではありませんが、執筆を強く推奨します。年度末には毎年ゼミ論集を刊行しています。(CD 版か冊子版かは4月に相談して決めます。)


浅岡ゼミ (浅岡 隆裕)

○ゼミの概要:

 本ゼミでは,メディアやコミュニケーションが介在することで生起する現象を社会学,メディア理論ほかの概念装置を援用して,自らの視点によって分析します。その社会的メカニズムを説明することの面白さ・奥深さを経験してもらいます。目標はメディア&文化分析の技法の習得にあります。とくに,分析の道具としての様々な社会調査(インタビュー,アンケート,ドキュメント(メッセージ)分析,観察等)それぞれの特性を踏まえ,いずれかを選択・実施し,実証的な研究をしていきます。

前期に文献・資料を講読する中で“研究する”ことのイメージを共有し,後期には全員で相談してゼミ共通テーマを設けて,それぞれのグループの調査研究活動を通じて,テーマについて総合的に解き明かしていきます。

ここ数年の共通テーマは,「令和元年の若者たち」(2019)「個人化と多様化の時代」(2020),「デジタルネイティブ世代の行動と現実感覚」(2021)と展開してきました。22年度は,個人のプレゼンによりグループ分けした①コミュニケーション・ネット上でのつながり,②広告・CM・消費行動,③動画利用・サブスク,④レトロ・エモい文化などから,≪若者(Z世代)のアイデンティティ≫について考察を進めています。

○ゼミの特色:

 本学を卒業し,広告会社でのキャリア(クライアント企業のコミュニケーション戦略立案とマーケティングリサーチ業務)を持ち、現在、複数地域での魅力発信プロジェクトに携わっている教員が2 年間指導します。ゼミ受講者が執筆・編集した研究成果報告書(=ゼミ論文集)創刊~15 号は,社会情報学研究室(3 号館 4 階),社会学研究室(9 階)で閲覧可能です。画像もふんだんに取り入れたゼミ1 年間の記録も掲載されておりますので,受講希望者はぜひご覧ください。

○卒論・卒業研究論文:

 4 年生には卒業論文,あるいは卒業研究論文に取り組んでいただきます。


塚田ゼミ (塚田 修一)

○テーマ 都市・文化・メディア

 本ゼミでは主に担当教員の専門である①都市空間と文化、②文化とメディア・コミュニケーションがカバーする(あるいは重なる)領域を扱います。2021年度は、「渋谷」のフィールド調査を行い、2022年度はYouTuberやVTuberなど「(広義の)配信文化」を考察しています。 身の回りの様々な現象を真剣に面白がれる学生、またフィールドワークに積極的に取り組む意欲のある学生を歓迎いたします。 なお、担当教員の専門分野については、『国道16号線スタディーズ』(青弓社)や『アイドル論の教科書』(青弓社)などを読んでみてください。

○活動予定内容:

 ゼミ生の興味関心に合わせて、①各自の研究テーマに関連する文献購読およびメディアテクスト(映画やテレビドラマなど)の分析実践と、②フィールドワークの二本を柱に、①と②を往復しながら活動していきます。 そのうえで、4年生は卒業論文・卒業研究論文の執筆を、3年生は合同ゼミでの発表およびゼミ論文の執筆を進めてもらいます。学年末には、ゼミ論集を刊行します。 夏休みには他大学との合同ゼミを実施し、主に3年生が研究テーマについてプレゼンを行います(2022年の夏休みには、駒沢女子大学・日本女子大学・慶應大学・相模女子大学との合同ゼミを行いました)。希望があれば、4年生向けに卒論・卒業論文構想を検討する企画も行います。また、折に触れ、フィールドワークやフィールドトリップを企画します。

 

○卒論・卒業研究論文:

 本ゼミでは、卒業論文・卒業研究論文とも20000字以上を原則とします。卒業論文は必修ではありませんが、執筆を強く推奨します。執筆に際しては、担当教員が最大限にサポートします。

 


図書館情報学コース


小山ゼミ (小山 憲司)

○テーマ:「図書館を科学する」

 このゼミでは、情報社会における図書館を主な研究対象として、多様な観点、論点から図書館を「科学」することを目指します。図書館と一口に言っても、幅広いです。私の研究関心は大学図書館で、最近ではラーニングコモンズを通じた学習支援や、学術情報資源の電子化に伴う利用者の利用動向の変化などを研究しています。が、みなさんには、みなさん自身の興味関心があるはずです。
 たとえばコロナ禍における図書館という事例をとってみても、図書館開館の可否、資料の貸出と感染問題、電子書籍の効果、図書館という空間のありかたなど、さまざまな論点があります。そうした論点を整理し深めていくことで、あらたな研究のシーズ(種)が見えてきます。また、ゼミメンバーとのディスカッションは、さらにあらたな視点と知見をもたらしてくれるに違いありません。このゼミをそうした活発な議論、活動の場に、みなさん自身で育ててもらえたらと思います。

○活動内容・進めかた:

 前期は、4 年生は卒論のテーマを決定し、それに関する発表を中心とします。3 年生はグループワークを通じて、研究の方法を学ぶとともに、各自、ゼミ論のテーマを検討します。2019年度に相模原市立図書館を訪問し、その図書館の風景を写真に収めることで、図書館とはなにかを検討しましたが、同様の手法を用いた研究を実践する予定です。夏休みのゼミ合宿では、各自が研究テーマについて報告し、ディスカッションします。
 後期は、卒論・ゼミ論の報告を中心に進めます。このほか、希望に応じて、図書館見学やイベントへの参加など、学外での活動も考えています。

卒論・ゼミ論など:

 卒業論文は必修ではありませんが、本ゼミを選んだ4 年生にはぜひ卒論に取り組んでもらいたいと思います。また、3 年生はゼミ論を執筆し、ゼミ論文集としてまとめます。いずれの場合も、研究テーマの設定や研究の進めかた、執筆方法などについて、個別に面談し、相談しながら進めていきます。


常川ゼミ (常川 真央)

テーマ:「データと社会課題を図書館情報学でつなげる」

 本ゼミでは図書館情報学の知見を学びながら、皆さんが関心のある社会課題に対してオープンデータをどう活用できるのかを模索し、そのための情報システムを提案することを目指します。図書館情報学は学術情報資源のひとつとしてデータをいかに組織化し、人々に提供していくかを探究していきました。皆さんが日頃抱いている悩みや違和感をゼミでのディスカッションを通じて社会課題として整理しつつ、図書館情報学を学ぶことで自分を取り巻く社会問題の解決にデータを活かす仕組みづくりを習得します。

活動内容・進めかた:

 4 年生は安形ゼミの流れを引き継いで卒業論文執筆を目指します。3 年生はデータの組織化や提供、活用方法に関する演習を行います。並行して、自身がテーマとしたい社会課題についてゼミのメンバーとディスカッションを通じて形にしていきます。

卒論・ゼミ論など:

 卒論は必修ではありませんが、本ゼミを選んだ4 年生にはぜひ卒論に取り組んでもらいたいと思います。また、情報システムの提案とありますが、プログラミングは必須ではありません。皆さんの特性や関心に合わせてゼミに参加した成果を形にしていければと思います。もちろん、システム開発に意欲のある方も歓迎します。研究テーマの設定や研究の進めかた、執筆方法などについて、個別に面談し、相談しながら進めていきます。


桑田ゼミ (桑田 てるみ)

・テーマ:「アクティブ・ラーニングで考える最先端の図書館」

 急速に変化する社会に求められる最先端の図書館について考察したいと考えています。常に新しい情報を得るだけでなく、自分で行動し考えるアクティブな学びを行います。私は、新しい社会に対応して変化し始めた最先端の学校図書館について研究していますが、ゼミでは、皆さんの興味関心を大切に育てます。学校図書館はもちろんのこと、公共図書館、大学図書館など館種を問わず、様々な角度や論点から、最先端の図書館活動に関する考察を広げたいと考えています。

・ゼミの進め方

 前期は全員がアクティブに取り組むテーマを設定します。過去には、「学校図書館改造プロジェクト」を立ち上げ、実際に図書館改造などを手がけたり、その結果を図書館総合展での発表をしたり、さまざまな活動を行いました。2023年度は、「最先端の図書館」をキーワードにしつつ、具体的には受講者と相談しながらテーマを決めます。夏休みにはゼミ合宿で研究と交流を深め、後期には、卒業論文、ゼミ論文の執筆を本格化させる予定です。

・ゼミ論、卒論の執筆

 4年生は原則として卒業論文に取り組みます。3年生はゼミ論文として、卒業論文で取り組むテーマに関する研究ノートの執筆に取り組みます。執筆は、個別相談をしながら進めていくことになります。