ホーム » 教員便り

教員便り」カテゴリーアーカイブ

小山ゼミが多摩市立中央図書館にて利用者調査を実施中です(6月2日)

4月24日のブログ記事でもお伝えしたとおり、小山ゼミでは多摩市立中央図書館とのコラボレーション企画として、利用者調査を計画しました。6月1日(土)から5日(水)の5日間、調査を行っています。ゼミ生は、図書館からお借りした青いエプロンを身に着け、「中央大学学生調査員」と記された名札を下げて、11時(土日は10時)、14時、17時、19時の1日4回、館内を巡回して調査を実施しています。利用者のみなさまにはご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

調査の道具
調査で用いているエプロンや道具

多摩市立中央図書館に見学に行きました(4月24日)

小山ゼミ(社会情報学演習(2)(7))の一環として、多摩市立中央図書館に見学に行きました。多摩市立中央図書館は昨年2023年7月にオープンしたばかりの新しい図書館です。多摩センター駅から徒歩5分ほどの、多摩中央公園内にあり、「人と本をつなぐパーク・ライブラリー」を謳っています。

今年度の小山ゼミでは、ここ多摩市立中央図書館をフィールドに利用者調査を実施する予定です。新しくなった図書館は誰に、どのように利用されているかを明らかにすることで、今後の図書館サービスに役立ててもらうことを目的とした、多摩市立中央図書館とのコラボレーション企画です。今回の見学はその下見です。

図書館見学では、図書館司書の方から図書館の概要をうかがったのち、図書館を案内してもらいました。見学した内容をもとに調査票を作成し、6月に5日間の調査を実施する予定です。

見学の後に、多摩センターにて、3年生歓迎会も行いました。私は一次会で帰宅しましたが、ゼミ生は二次会に行きました。みなさん、楽しかったでしょうか。調査もみんなで一緒に、楽しく実施しましょう。

東京西地区大学図書館協議会秋季セミナーで講師を務めました(11月27日)

11月23日に亜細亜大学で開催された、東京西地区大学図書館協議会秋季セミナーで「AI時代の大学図書館」というテーマで講演しました。

最近、AIと聞いて思いつくのはChatGPTなどの対話型AIかと思います。対話型AIは、ChatGPTという名称にも表れているとおり、チャットという方法でAIが持つ膨大な情報の中から利用者が求める情報を提示するものです。対話型AIを含む生成AI、はたまたAIをどのように大学図書館サービスに生かすことができるかに関心を持っていた私は、セミナーに参加された大学図書館員のみなさんに対話型AIを体験いただき、その経験をみんなで共有することで、その関心について一緒に考えていただくことにしました。

セミナーでは4人1組となって、人との対話と対話型AIとの対話の違い、それぞれの優れている点、劣っている点などを話し合い、その結果を発表いただきました。途中、さまざまなトラブルがありましたが、セミナーを通じて得た経験や気づきを共有することができ、私自身、大変有意義な時間を過ごすことができました。セミナーの成果は参加者間で共有されるとのことですので、もう一度ふりかえってみようと思います。

本セミナーを企画、運営いただいた亜細亜大学のみなさん、セミナーに参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました。これからのますますのご活躍を期待しています!

八王子市中央図書館ポップアップライブラリ・プロジェクトのワークショップ第2弾を開催しました(11月24日)

2023年8月のワークショップに続き、ポップアップライブラリ・プロジェクトのワークショップ第2弾を11月23日に八王子市中央図書館で開催しました。8月のワークショップでは、高校生と大学生が協働して、ティーンエイジャーの居場所とはなにかを検討してもらいました。今回のワークショップでは、そこで得た知見も参考にしながら、実際にいすや机などを配置して、自分たちにとって心地よい居場所をつくってみることにしました。

実験場所は、展示室として使われている中央図書館地下1階の空間です。そこに、図書館で普段は使っていないいすや机を置いたり、マンガや植物を用意しました。ワークショップに先立って、図書館員のみなさんがこれらの家具などを配置し、その後高校生がそれらを自由に動かして、自分たちの居場所をつくるという試みです。

その結果、私たち「大人」が配置したかたちと、高校生たちが配置したかたちは、大きく異なっていました。その理由もまた、ワークショップ内のふりかえりで記録してもらいました。これらの結果は、共同研究の成果として後日、報告する予定です。

今回のワークショップにも参加してくれた東京都立八王子桑志高校の4名の高校生のみなさん、中大から参加してくれた竹市さん、鈴木さん、ありがとうございました。また、この企画を快く引き受けていただいた八王子市中央図書館のみなさん、そして植物などをご提供いただいたみなさまにここに記して感謝申し上げます。どうもありがとうございました。

レイアウト変更後のようす(1)
レイアウト変更後のようす(2)

大学図書館職員研修で講師を務めました(11月10日)

11月9日(木)にオンラインで行われた図書館職員基礎研修(東海地区大学図書館協議会主催)にて、「大学図書館、変わるコト、変わらないコト」と題した講演を行いました。講演では、私の大学図書館での経歴、研究者になってからの研究テーマや関心を振り返りながら、大学図書館の業務やサービスがどのように変化してきたかを検討しました。

以前は機械化や電算化と言われた電子化、デジタル化の急速な進展により、図書館業務はもちろん、学術情報も電子化し、その結果として大学図書館のありようが大きく変容したことを確認しました。他方、大学図書館ならではの変わらないコトもあるのではないか(あったのではないか)という点も提案しました。受講いただいた大学図書館職員のみなさん、いかがだったでしょうか。少しでも今後の実務のお役に立てたら幸いです。

神奈川県立相模原高等学校の1年生に模擬授業を行いました(10月11日)

10月11日に中央大学多摩キャンパスに神奈川県立相模原高校(県相)の1年生を迎えて、模擬授業を行いました。これは、高大連携事業の一環で、県相からの依頼を受けて行われたものです。

実は、私は県相の23期卒業生で、ここ数年、毎年模擬授業を担当しています。母校の生徒と一緒に学べるのはとてもうれしいことですね。

県相では課題研究という活動を行っており、調査研究の基本を経験できるよう演習形式の授業を行ってほしいとのことでした。そこで「大学生は本当に本を読まないのか」というテーマを設定し、この問いに対してどのようにアプローチできるかを、参加してくれた1年生と一緒に考えました。また、こうした問いにどのように取り組めばよいか、具体的な事例を紹介しながら授業を進めました。みなさんのお役に立っていればよいなと思います。

模擬授業ではサプライズもありました。生徒のみなさんを引率された江藤先生との再会です。江藤先生は、私が中学生のときからお世話になっている方で、中学、高校、大学の先輩にあたります(一緒に通学したことはありませんが)。江藤先生の前での授業は緊張もしましたが、これもまた今年のよい思い出となりました。ありがとうございました。

参加してくれた一年生のみなさん、中央大学でまたお会いしましょう!

第71回日本図書館情報学会研究大会で研究発表しました(10月9日)

10月8日、9日に愛知淑徳大学星が丘キャンパスで開催された、第71回日本図書館情報学会研究大会で共同研究した成果をポスター発表しました。タイトルは、「生成AIによる情報サービス演習問題に対する回答の評価」です。共同発表者は、角田裕之先生(鶴見大学)、原田智子先生(鶴見大学)、江草由佳先生(国立教育政策研究所)です。

この研究では、今、話題となっている生成AI(対話型AI)が果たして図書館職員に代わって、利用者からの質問に回答できるかを調査しました。具体的には、私も共著者として名前を連ねている『三訂情報サービス演習』(樹村房)に掲載されている演習問題をChatGPT、Bing AI Chat、Perplexity AI Chatの3つの生成AIに入力し、その回答が適切かどうかを判定しました。その結果、例えば観光情報に関する質問には適切に回答できた一方、ある趣味に関する本を3冊推薦してほしいという問いに対しては、この世に存在しない本を回答するなど、誤った情報を提示する場面もありました。このことだけで、生成AIの性能を判断するのは性急ですが、私たち利用者にも相応のリテラシーが求められること、そこに図書館員(司書)の知識や技術、経験が生かされるのではないかと考えます。併せて、生成AIはなにかを知ることで、仕事や学習、研究にも生かせるでしょう。今後の展開が楽しみです。

『図書館情報学事典』が刊行されました(9月16日)

私が所属する日本図書館情報学会の創立70周年を記念して、『図書館情報学事典』(丸善出版)が2023年7月に刊行されました。定価(22,000円)はだいぶ高めですが、図書館情報学や隣接領域に関するキーワード287項目を取り上げ、基本的に1項目を見開き2ページで解説した、読み物的な事典です。私は、データベース、学術雑誌の歴史、日本の大学図書館政策、大学図書館のコレクション形成、大学図書館の文献提供サービス、ラーニングコモンズの6項目を担当しました。

執筆にあたってはできるかぎり平易に、というのが編集委員会からの依頼でしたので、いずれの項目も読みやすく、わかりやすい印象を受けます。さっそく大学の授業の読書課題にも指定して、利用したりしています。

ぜひお近くの図書館で手にとって見てください。

豪州日本研究学会研究大会/国際繋生語大会(JSAA-ICNTJ2023)で研究発表しました(9月8日)

2023年9月1日から3日に、シドニー(オーストラリア)のニューサウスウェールズ州立大学、シドニー工科大学、シドニー大学を会場に開催された豪州日本研究学会研究大会/国際繋生語大会(JSAA-ICNTJ2023)で、ポスター発表しました。この研究大会は、豪州日本研究学会(JSAA)国際繋生語研究会(ICNTJ)が合同で開催したものです。私は豪州日本研究学会の学会員として、今年3月までメルボルンに滞在して研究した内容の速報的な成果をポスター“Research Activities in Japanese Studies and Academic Support in Australian Universities”にまとめ発表しました。

研究大会では日本語教育や日本語研究から日本の社会や文化、政治、歴史など、多様なテーマでの発表がありました。オーストラリアに在住の方もいれば、日本から参加している人も大勢いました。海外の研究大会で日本語で研究内容を対話するというのは、少し不思議な体験でした。

大会終了後には、シドニー市内にある国際交流基金シドニー日本文化センターを訪問し、図書室を見学したり、そこで行われている活動についてお話をうかがいました。シドニーをはじめ、オーストラリアでの日本語教育、日本人社会、日本の受容など、さまざまなお話をうかがい、良い刺激を受けました。

研究大会に参加して、多くの研究者と知り合い、議論し、とても貴重な機会になりました。

ニューサウスウェールズ州立大学
会場となったニューサウスウェールズ州立大学

八王子市中央図書館ポップアップライブラリ・プロジェクトのワークショップ2日目(8月28日)

先週に引き続き、ワークショップの2日目が28日に行われました。

2日目は、大学生によるプレゼンにつづき、先週の話し合いの結果も参考にしながら、「自分たちの居場所とはなにか」をテーマにグループワークを行いました。具体的には、図書館エントランス、地下1階の中庭、そして展示室をどのようにすれば高校生や大学生に足を運んでもらえるかを話し合いました。

大学生によるプレゼンのようす
武蔵野プレイス、多摩市立中央図書館の見学結果を報告する大学生

図書館エントランスは、お役所の入口のようで入りにくいと利用者の指摘を受けた図書館からの提案を受けての検討です。地下1階の中庭は、ふだんは利用者に開放しておらず、花壇があっても草が生え放題という状況。ここをティーンエイジャー向けに開放してはどうかということで、検討対象になりました。展示室はそこを高校生のみなさんの居場所にするというよりも、屋内に居場所をつくるとしたら、どのようないすや机を置いたり、雰囲気にすればよいかを実験するための実験室のようなものをイメージしました。

グループワークのようす(その1)
グループワークのようす(その1)
グループワークのようす(その2)
グループワークのようす(その2)

高校生と大学生がミックスして2つのグループに分かれて話し合い、その後話し合いの結果を発表して情報共有しました。エントランスに絵画などの高校生による作品を展示したらどうか、蛍光灯の白色は硬い感じがするので暖色系にしてはどうかなど、さまざまな意見が紹介されました。

成果発表のようす
成果発表のようす

2日間にわたったワークショップで出た意見は、中央図書館のみなさんと一緒に、1つでも多くを実現していきたいと思います。参加してくれた高校生のみなさん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!