3月8日に、世田谷区の砧にあるNHK放送技術研究所で、第38回サイバーワールド研究会が開催されました。今回のテーマは「プログラミング教育」および一般です。今回も飯尾ゼミからの研究発表が1件ありました。プログラミング教育以外の発表もありますが、いずれの発表も、子供たちを対象とした研究・教育に関する活動の報告でした。
・興味を持つ→創る→発表する ~NHKのプログラミング教育コンテンツ~
○林 一輝(NHK)
まず、基調講演としてNHK放送技術研究所から、NHKで実施しているプログラミング教育に関連するTV番組作りの紹介がありました。厚切りジェイソンが主役を務める「Why?プログラミング」という番組をご覧になったことがありますか?その番組製作の裏話や、関連する話題について、NHKの林さんから興味深い紹介がありました。
・カメレオンコードを応用したアプリの提案『れっつぱーてぃ』
○玉手千晶・樋口花帆・飯尾 淳(中大)
続いて、飯尾ゼミからは玉手さんの発表です。
玉手さんと樋口さんが3年生のゼミ論執筆で実施した研究の成果を報告しました。この研究は、カメレオンコードと呼ばれるカラーコード(QRコードやバーコードのようなものです)を人形劇と組合せて面白いインタラクティブゲームを考えたというものです。
発表者の玉手さんも、自信をもって堂々とした発表をしました。また、途中で実際にデモを交えて、長いCW研究会の歴史においても、かつてない発表になったのではないでしょうか。下の写真は、デモンストレーションで人形を操る共著者の樋口さんです。
・プログラミング教室Candyの運営と課題
○河野由香(Candy)・河野義広(東情大)
3件めの発表は、子供向けプログラミング教室を運営する河野さんによるご発表です。ScratchやPythonを使って子供向けのプログラミング教室を実施しているとのこと。その運営から分かってきた課題についての報告もありました。
また、児童、生徒による作品も紹介されました。子供の発想は無限大ですね。とてもユニークな作品を披露してくださいました。
・児童の自制心を育むWi-Fiルータの試作
○並河伶弥・浦 正広(北陸先端大)
北陸先端大学の学生、並河さんの発表は、「子供がインターネットに夢中になっていろいろ問題がある」という課題を解決するために、ネット接続を我慢することで報酬を与えるという仕組みをWiFiルータに組み込んだというユニークな報告でした。
会場には同じ悩みを持つ親御さんも多く参加していたようで、共感を得ていたとともに、ここはこうしたほうがいい、あそこはこうあるべきだ、など、熱い議論が交わされました。
・子供の創造的活動とプログラミング学習
○阿部 和広(青山学院大)
最後は青学の阿部先生によるご講演です。やはり長いあいだ子供向けのプログラミング教育に携わってきた阿部先生が、その経験から学んできたこと、および、昨今の事情について、丁寧な解説を加えてくださいました。