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特別公開講座で模擬授業を行いました(7月15日)

文学部では毎年、附属学校および近隣の高校の生徒を対象に特別公開講座と称した公開事業を行っています。文学部についての説明に加え、在学生による文学部紹介、13専攻に所属する教員による模擬授業など、盛り沢山です。

今年度は、私小山が「電子書籍がもたらすもの(もたらさないもの)」と題した模擬授業を行いました。その概要は次のとおりです。

 みなさんは、電子書籍と聞いて、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。アマゾンのキンドルを思い浮かべたでしょうか。あるいは、タブレット端末やスマホで読まれている本やコミックを想像したでしょうか。ところで、これらは、単に紙の書籍(本)を電子化したものなのでしょうか。それとも、紙の本とはまったく別のものなのでしょうか。電子書籍を材料に、情報の電子化とはなにかをみなさんと一緒に考えてみたいと思います。

また、社会情報学専攻から、情報コミュニケーションコースの木下はづきさん(4年)、図書館情報学コースの松本理沙さん(3年)が文学部紹介に参加してくれました。どうもありがとう。

本講座が参加してくれた生徒のみなさん、保護者の方々にとって、進路の決定や大学で学ぶことの意義を考えるうえで、有益な時間となっていれば嬉しいです。

「読書感想文および図書館利用実態に関する研究」はじめました

プレサーベイをしてみたり、学生を交えて研究チームの体制づくりをしてみたりと水面下で半年間ほど調整しておりましたが、本日、無事にプレスリリースされました。

八王子市図書館との共同研究として、「読書感想文および図書館利用実態に関する研究」を始めます。八王子市図書館が数年前より手がけてきた読書感想文コンクールへの応募作品(個人情報を削除したもの)を分析したり、図書館の利用実態データを分析したりすることで、「読書のまち八王子」をさらに推進すべく、八王子市を支援します。

なお、本活動は、八王子市と中央大学との包括連携協定の一環としても位置付けられています。

第36回CW研究会で発表

浅田くん
浅田くん

2017年6月29日に開催された第36回サイバーワールド研究会で、飯尾ゼミの4年生、浅田省吾君が「畳込みニューラルネットワークを利用した同一作品上のアニメ・漫画(原作)分類器作成」というタイトルで研究成果を発表しました。この研究は、機械学習の1つである畳込みニューラルネットワーク(CNN)を利用して、原作の漫画として描かれたキャラクターなのか、アニメ化されたもののキャラクターなのかを判別しようというものです。

完全な判別器を作るのはなかなか難しかったのですが、やってみたらそれなりに判定することができたと報告。質疑応答では、表情に関してはどのくらいばらつきがあるものを学習させているのか?この研究のゴールは何か?今回は同一作品のみを対象としているが、汎用的に他の作品でもアニメと漫画を区別できるようになるのか?などといった質問が出され、活発な議論が行われました。

なお、一般講演に続き招待講演のテーマは「サイバーマネー」。プリペイドカードやクレジットカードといった旧来の電子決済だけでなく、仮想通貨(ビットコインなど)やFintechといった最近の事情まで、サイバーマネーに関する様々なお話をNECの望月さんから、そして、中国におけるサイバーマネーの普及に関する話題を東大の丸川先生から聴くことができました。どちらもたいへん興味深いお話で、有意義な研究会だったといえるでしょう。

飯尾ゼミ特別講演会2017夏

松山さん
松山さん

今年の特別講演会、2017年前期は株式会社創夢の取締役副社長、松山さんにご講演をお願いしました。お題はIPv6について。インターネットプロトコル、バージョン6に関する取り組みをご紹介いただきました。

奇しくも今日の4限、ゼミ前の時間に私が担当している「ネットワーク技術(1)」は、インターネット通信の仕組みを解説する回でした。IPのルーティングやアドレッシングの詳しい説明を、来週、実施する予定です。ところが、例年の同講義ではIPv4をベースに説明を行っていて、「IPv6については割愛します(勉強したい人は自分で勉強してね!)」と、解説をすっ飛ばしてしまっている内容なので、私にとってもたいへん勉強になるお話でした。ていうか、技術的にはハードコア、かつ、かなり踏み込んだ解説だったので、「ネットワーク技術」を受講していないメンバにはちょっとしんどかったかな?

熱心に聴講
熱心に聴講

まあ、技術的なお話だけでなく、KAMEとUSAGIのお話など開発プロジェクトに関する話題や、NGNの問題点などという社会制度の問題点などという話題もご提供くださったので、そのへんに興味があるメンバーには、その観点からも面白かったのではないでしょうか。私には「フォールバック問題でIPv6無効化というバッドノウハウが広まり、コンテンツ提供者が声を挙げた」という話がとても印象深く刺さりました。

今回、時間を大幅に超過しての講演会になりましたが、途中、質疑応答も盛り上がり、ゼミのメンバーに得るものも多かったのではないでしょうか。飯尾ゼミでは、様々な分野で活躍中のユニークな方々に、年間2回のご講演をお願いしています。毎回、講演会のあとは懇親会も開催します。今回も、夜の懇親会でさらに突っ込んだ議論が重ねられ、参加した学生には大きな糧となったのではないでしょうか。

シンポジウム『ゲームがスポーツになるとき』開催

社会情報学専攻では2017年7月27日(木)15:00~16:30にシンポジウム
『ゲームがスポーツになるとき:eスポーツにおける情報と身体』を開催します。
参加を希望される方は、こちらでの事前登録をお願いします。

シンポジウムのチラシはこちら「eスポーツシンポジウムフライヤー(PDF)」

2017年度春季HCD研究発表会で発表

2017年5月27日に、田町の芝浦工大で「2017年度春季HCD研究発表会」が開催されました。13件の口頭発表と7件のポスター発表が行われ、口頭発表では以下の3件に我々が関与しています。今回はだいぶ貢献できたのではないかと、自画自賛です ^^;

  • 飯尾淳(中央大学)「講演スライドの撮影という迷惑行為に関する意識調査」
  • 和井田理科(株式会社JVCケンウッド・デザイン)、相澤奈保子(株式会社リコー)、飯尾淳(中央大学)、他「HCD普及・啓発活動実践者のためのHCD入門講座雛形 ~β版作成活動の報告~」
  • 塚本拓也、甲斐光彦、飯尾淳(中央大学)「若い世代におけるPCとスマートフォンのタイピング効率の比較」

とくに最後の塚本くんによる発表は、昨年の飯尾ゼミにおいて、塚本・甲斐らのグループで彼らが3年生のときに研究したテーマを膨らませて発表したものです。「初めての学会発表で緊張しました」とは本人の弁ですが、100人を超える参加者の前で堂々と発表できて、立派なものでしたよ。

大学生は「理科系の作文技術」を一読すべし

理科系の作文技術
木下是雄「理科系の作文技術」

まず結論をいう.木下是雄「理科系の作文技術」は1981年初版という古い本ではあるが,その内容はいまだ衰えてはいない.また,「理科系の〜」と題されているとはいえ,日本の大学に通う学生諸君は「文科系・理科系にかかわらず」一度は目を通す価値があるだろう.いや,一読といわず何度でも精読することを強くオススメする.

ただし,やはり35年以上の歳月を経て,その記述が現在の事情とミスマッチを起こしている部分もある.私がいま手にしている書籍は1996年に増刷された38刷(!)のものであるが,その時点での状況を考慮しても,残念ながら,適切なアップデートがなされていない(注1).というわけで,本稿では,私が気になった「読み替えるべき」あるいは「現代の事情を他書で補足すべき」箇所を指摘しておきたい.

なお,個別の記述を指摘する前に,大きく何が違っているかを示しておこう.それは,ワードプロセッサあるいはプレゼンテーションソフトの活用にまったく触れていない点である.というよりも,原稿用紙に手書きで執筆する,OHPやスライド(注2)を用いてプレゼンテーションを行う,という状況が前提とされており,さすがにいささか時代遅れの誹りは免れまい.

では,私が少し気になった箇所を以下に指摘する.

  • 「2.3.3 長さの制限」… 原稿用紙何枚という数え方,さらには,英文のワードカウント法に言及している.しかし,さすがに今は原稿用紙に書きつけるやり方は少数派ではないか?ワードカウントにしても,概算の方法が紹介されているが,いまではワープロが自動で勘定してくれるので,概算する意味がない.
  • 「3.5.1 構成表を作るやり方」 … ここで紹介されている文書構成法は,今なら「マインドマップ使え」の一言で置き換えられるであろう.
  • 「9.5.1 原稿用紙の使い方」 … ワープロの使い方に置き換えられるべき説明.「9.5 原稿の書き方」の節をまるごとアップデートする必要があるかもしれない.ただし「表9.10 校正記号」などは,いまでも多用する重要な情報を提供してくれているので,総じて古臭くなっているというわけではないが.
  • 「11.3 スライドの原稿」 … これも,プレゼンテーションソフトに取って代わられた話.もっとも,そのままプレゼンスライドの作り方に読み替えることはできなくもない.

ざっと見直しただけなので,他にもあるかもしれない.しかし,このようなことに気をつけて読めば,それ以上の情報を与えてくれる良書である.以下,結論に代えて本書の評価について再度コメントしておこう.「理科系の作文技術」で解説されている多くの文章作法および関連する話題は,未だに示唆に富む内容を含んでいる.学生諸君だけでなく若手社会人の皆様,あるいは,文書作成に自信のない中高年の皆様にも,お勧めしたい書籍である.

  • 注1: まあ,木下氏はその時点で79歳というご高齢であり,改訂を求めるのは酷というものであろう.
  • 注2: ここでいう「スライド」とは,今日の「プレゼンテーションソフトで作成するスライド」ではなく,ポジフィルムによるスライド映写のことである.ポジフィルムによるスライドとは何かわからない人は,ググってみてください(手抜き).

マシュマロ・チャレンジ2017

のっぽのタワー
のっぽのタワー

今年も1年生の基礎演習で、チームビルディングの演習を行いました。マシュマロ・チャレンジというゲームです。

4人ひと組になり、できるだけ高いタワーを作ります。材料はスパゲティ20本、メンディングテープ90cm、紐90cmとマシュマロ1個。材料を切り貼りして自立したタワーを作ります。マシュマロに細工をしてはいけません。

自立したタワーなので、机や椅子に固定してはいけません。てっぺんにはマシュマロを飾ります。制限時間は18分。限られた時間のなかで、頭を使って高いタワーを作成します。

今年の基礎演習は24人が受講しているので、6チームの競争になりました。チームのメンバーは乱数で決めます。1回めの挑戦では、6チーム中、4チームがタワーを建てることができませんでした。残りの2チームは、48cm、27cmという結果でした。

かっこいいタワー
かっこいいタワー

メンバーを入れ替えて、2回めの挑戦です。2回めなので、前回の失敗を踏まえて新しく戦略を考えなければいけません。

2回めの挑戦では、6チーム中、5チームがタワーを建てることに成功しました。優勝は59cm。2位は惜しくも優勝チームから2cm低い、57cmでした。3位以降は、55cm、45cm、36cmという結果です。

どのチームも、2回めには高いタワーを建てることができました。昨年同様、この演習で初めて話をしたという仲間もいたようで、友達の輪を拡げることにも役立ったでしょう。

チームビルディングにマシュマロ・チャレンジはとても効果的です。皆さんも、挑戦してみてはいかがでしょう?

なお、59cmのタワーを建てて優勝したチームには、使わなかったマシュマロひと袋が優勝賞品として贈られました。
\(^o^)/

社会学・社会情報学会 新歓パーティ

今日から2017年度前期授業が始まりました。
さて、ご報告が遅くなりましたが、4月6日(木)に、社会情報学専攻・社会学専攻の新入生を対象に、社会学・社会情報学会主催の新歓パーティが開催されました。当日は教室があふれるくらいにたくさんの新入生が参加してくれました(写真で紹介できずにごめんなさい)。
交流企画の一つとして、新入生が5チームにわかれてのチーム対抗クイズ大会も開かれました。これから学ぶ内容や教員に関連した出題もありました。ぜひ授業のなかで確認してみてください。このほか、上級生による履修相談会も開かれました。参考になったでしょうか。
これからの4年間がみなさんにとって、実り多い時間になりますように。

OSS研究動向セミナー in OSC2017 Tokyo/Spring

OSS研究動向セミナー
OSS研究動向セミナー

3月10日、11日に、お隣の明星大学キャンパスにて開催されたOpen Source Conference 2017 Tokyo/Spring というイベントのひとコマとして、「OSS研究動向セミナー」が開催されました。

飯尾(中大)、野田先生(島根大)、田中さん(島根大学)の3名による3件の研究発表が行われ、30名ほど集まった聴講者との熱い議論が行われました。

もはやITの現場では当たり前のように使われるようになったオープンソース・ソフトウェア(OSS)ですが、その関連研究はまだまだ終わったわけではありません。OSSに関する研究をしたいかたがいらっしゃいましたら、ぜひ飯尾研究室の扉を叩いてくださいね!いつでもどうぞ。