さて、10年後である今年の基礎演習の時間には、どんなことをやっているのでしょう…
HPのリニューアル中に書いていたブログの記事(2014年6月7日)を転載しますね。
HPの「授業内容紹介」の「基礎演習」も私が書いたので、内容は似ていますよ。
—————————————————-
松田です。
社会情報学専攻に入学した学生は、情報コミュニケーションコースは2クラス、図書館情報学コースは1クラスの計3クラスの、どこかのクラスに所属することとなります。
語学や体育、そして専門基礎科目など必修授業の多くは、このクラス単位であることが多く、よく顔を合わせるので、仲のよい友だちができる場にもなっています。
… そういえば、先日5~6年前の卒業生に会ったのですが、今もクラスの友だちとの交流が続いているようで、何人かの近況を聞くことができ、うれしく思いました。
さて、私が担当する科目の一つに「社会情報学基礎演習」という1年生向けの科目があります。
この科目は上記のクラス単位で行われるもので、「大学での学びとは」からスタートし、7月までの夏学期期間中に、文献の読み方、統計データの読み方、資料の集め方、レポートや論文の書き方などを身につけてもらうことを目的としています。
この授業でまず話すのは、
・論文には決まった「型」があるので、その「型」を身につけよう
ということであり、
・スポーツや楽器演奏と同じように、「型」を身につけるまでには、練習が必要
ということです。
高校までの作文や感想文は思ったことを書けばよかったかもしれません。
「思ったことを思った通りに書く」というのは、得意な人はよいかもしれませんが、苦手な人にとっては「何をどう書いていいのかわからない。だから苦手」となるのではないでしょうか。
実際、私は後者、作文が苦手で、とにかく作文の宿題には泣かされてきました。
ですが、今は「論文という文章を書く」ことは、日常的な仕事の一部です。
その経験からも、
・日本語の読み書きができるからといって、そのまま、論文の読み書きができるわけではない
・スポーツや楽器を身につけてきたように、「型」を意識して、練習をすれば、誰でもある程度はできるようになるはず。
と考え、指導しています。
専門用語が多い学術論文も、論文の「型」を意識しながら読むことで、ある程度は読みやすくなりますし、1000字以上の文章を書いたことがないという人でも、「何をどういう順番で書いていくといいのか」を意識することで、ある程度書けるようになります。
…さっきから、「ある程度」が多いですね(^^;;
全員が「すぐに」「上手に」なるとまでは言えないので、歯切れが悪い書き方になっています。
ということで、今年の1年生も現在修行中。
先日は、各自、学術論文を読み、要約した上で、論点を挙げるという最初の課題をレポートとして提出してもらいました。
そのレポートは、私が赤ペンを入れて返却するだけでなく(あとでコメントシートに「真っ赤になっていて、正直、ひきました」と書いている人がいましたが)、「お互いに読んで、評価する」という次の課題へ。
次の授業では、クラス全員のレポートを読んできた上で、どの人のレポートがどんな点でよいのか、グループで考えてもらいました。
たくさんのレポートを実際に読んでみることで、「よいレポート」を具体的に考えることができただけでなく、友だちのレポートには「すぐにでもまねできるポイント」がたくさん見つかったよう。
「内容はまねをしてはいけませんが、形式はまねしましょう」と話しました(^^)
また、今年のクラスは35名強と人数が多いので、レポートを読む教員の側の気持ちもわかってもらえ、「内容だけでなく、見た目にも読む気にさせるレポートを書こうと思います」というコメントも (ぜひ、そうしてくださいね)
さて、この科目の最終課題は「論文」を書いてもらうことです(4800字以上6400字以内)。
初めての「論文」なので、締切まで2ヶ月近くある今週、課題を出し、準備に入ってもらうこととしました。まずは、論文には必ず必要な「問い」と「答え」を意識し、論文のテーマを選ぶことからスタートです。
論文の「型」を身につけ、書けるようになることは、卒業後、別の「型」の文章を書くことになったときにも応用がきくはず。
しっかりがんばりましょう。