米国に出張中、ラスベガス発ロサンゼルス行きの飛行機に乗っていたときの出来事です。右側の窓から地上を見下ろしていたら、奇妙なモノを見つけました。山肌に大きく描かれた「R」の文字です(写真1)。
大文字焼きをイメージしてください。あんな感じで、大きく目立つ「R」のひと文字が山中に描かれています。
帰国してからも、あの「R」が気になって仕方なく、落ち着きません。「Google Mapの航空写真で探してみよう」と思い立ったものの、なかなか見つからず、満たされない思いはつのるばかり。
そりゃそうですよね。いくら大きな「R」だとはいえ、航空写真で見つけるためには、かなり拡大しなければいけません。そのうえで、シラミつぶしに探索していかねばなりません。このような方法では、効率よくうまく探していかないと、どこを探しているやらわからなくなってしまいます。
「地図にマークでも描いてあればいいのに」なんてブツブツと呟きつつ… しかし、そんな都合のよいことはありません。それなりに丹念に探してみたものの、そう簡単には見つからず、諦めかけていたのですが…
ここで思い出したのがMovesというアプリです。
このアプリ、基本的には万歩計アプリです。しかし面白い機能が備わっていて、移動経路をわりと正確に記録してくれます。健康に配慮して普段から多めに歩くように気をつけている私は、iPhoneにこのアプリをインストールして常に携帯するようにしています。もちろん、出張中も、このアプリをずっと使い続けていたのでした。
そこで、あの飛行機に乗っていたときまで戻ってMovesの記録を紐解いてみると、しっかりと移動経路が記録されています(写真2)。図中、灰色の線が飛行機の軌跡を表しています。この地図の北東方向にラスベガス、そして左の方向にロサンゼルスがあります。つまり、右上から左下に向かって、飛行機は飛んでいったということ。
さらに、「R」を見かけた前後の記憶と付き合わせてみたところ、どうやらサンバーナーディーノという街の手前辺りで発見したのでは?というところまで絞り込むことができました。進行方向に向かって右、つまり、灰色の軌跡より北側(上側)に、ありそうです。
さあ、だいたいの場所がわかったので、再びGoogle Mapを拡大して探します。… あった。ありました!(写真3)
ここまでわかれば、あとは「あのRは、いったい何なんだ?」ってことが、気になりますよね?なりませんか?
再び、Google Map(今度は地図)で調べてみると、近くに「Running Springs」というランドマークがありました。「Running SpringsのRなのかな?」となんとなく想像しながら、「Running Springs R mountain」のキーワードで画像検索してみます。… 見つけた!「University of Redlands “R”」と題した記事が見つかりました(Running Springs は無関係でした)。
ふむふむ、あの「R」は、なんと1913年に作られたとか。凄いですね。100年以上も昔ですよ!Redlands大学の学生が作ったものらしい。なかなか面白いストーリーが紹介されています。
しかし、インターネットの情報を鵜呑みにしてはいけません。今度は「University of Redlands “R”」というキーワードで検索してみます。… Redlands大学が提供している解説が見つかりました。どうやら正しい情報のようですね。