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「社情の日常」カテゴリーアーカイブ
豊かな自治体ほど図書館が利用されている?
大学院の授業で、公開されているデータや統計資料を使って、いろいろな分析をしています。

試しに、都内23区+市町村の図書館利用(貸出密度=図書館の貸出数を自治体内人口で割ったもの)と、一人当たり税額をプロットしたら、上の図のようになりました。「一人当たりの所得が大きい自治体ほど、図書館の本がよく借りられている」という関係が見えます。
面白かったので、これを学部1年生や2年生のクラスに見せて、「なんでこんな関係になると思いますか?」と考えてもらいました。(仮説を考える練習です。)
比例・反比例関係の強さを表す「相関係数」を出してみると、一人当たり税額と貸出密度の相関係数rは0.496でした。(ちなみに分布に合わせて税額の対数をとったものと貸出密度との相関を見るとr=0.590になります。)相関係数は絶対値が1に近いほど完全な比例・反比例の関係なので、0.5前後というのは、わりと関連が強いといえる数値です。
「お金のあるところは図書館に本がたくさんある?」・・・実は蔵書数と貸出密度はやや相関がありますが(r=.375)、蔵書数と一人当たり税額はほとんど相関がありません(r=.129)。ちなみに自治体の蔵書数と関係が強いのは自治体の人口でした(r=.902)。
「お金持ちはケチで本を買わない?」
「お金持ちは教養がある?」
「学歴の高い人が高所得になりがちだから?」 ・・・などなど、どれも一理ありそうです。
個人の読書行動との関連を見てみるとさらに面白そうですね。
SNSは「うわさ」をどう変えたのか?
インタビュー記事です。
恩師の廣井先生の本が目立つ形で写り込む仕上がりになっていて嬉しく思っています。
「SNSは『うわさ』をどう変えたのか?」ソニーWEBマガジン「B」Chamber30 2019.1.18
話題の可視化
2018年度後期の大学院ゼミでは「Twitterのトレンドを可視化するアプリを作成してみよう」ということになり、半年かけてなんとか面白いアプリを作ることができました。

この図は、完成したアプリのスクリーンショットを並べてみたものです。トピックに関連したツイートを収集、その内容から固有名詞を抽出し、同じツイートに含まれているかどうかでその関連性(共起性)を計算、結果をネットワーク図で示しています。
大きい丸、暖色系で表されている丸で示されている単語は、よく使われている言葉です。赤い線で結ばれた2つの単語は、それぞれが同じツイートに含まれていることを表します。太い線であるほど、その頻度が多いということを表しています。
このアプリで表現された図(「共起ネットワーク図」あるいは「共起ネットワークグラフ」といいます)をみると、トピックによってツイートにいくつかのパターンがあることがわかります。もう少し調べてみると、面白い傾向が見出されるかもしれません。来年の卒業研究で、誰か、挑戦してみてくれないかなあ。
アプリは http://iiojun.xyz/twt/ でアクセスできます。興味がある人はぜひ、遊んでみてください。
第27回中央大学学術シンポジウム
第27回中央大学学術シンポジウム「地球社会の複合的諸問題への応答」が2018年
12月8日(土)に中央大学駿河台記念館で開催されました。社会情報学専攻から
は、2人の教員がそれぞれ次の報告を行いました。
安野智子「情報の読み飛ばしと世論調査の提示が情報探索と争点知識に及ぼす影
響」
宮野勝「政治家信頼・不信理由の探索」
ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。
シンポジウムの詳細は下記をご覧ください。 第27回中央大学学術シンポジウム
資格課程キャリア講演会を開催しました(11月22日)
11月22日18:15より、資格課程キャリア講演会を開催しました。文学部では司書・司書教諭、学芸員の資格課程が開設されています。これらの課程の受講を希望している、またすでに受講している学生向けに、毎年OB・OGを迎え、講演会を開催しています。
今回司書課程のOBとしてご登壇いただいたのは、中島宰様(多摩市図書館)です。これまでのキャリアに加え、現在図書館が置かれている状況や図書館員に求められていることなど、短い時間ではありましたが、多くの興味深いお話を頂戴しました。講演終了後も質問に来る学生が絶えず、司書資格取得を目指す学生にとっても刺激になったのではないかと思います。
中島様、お忙しい中、ありがとうございました!